この気持ちを溶かすのは


≪オマケ≫



 朝来の背を見送った宗像は深い深い溜息を吐いた。

 まったく、何か悩んでいるようだったので聞いてみれば、「甘やかすな」と来たもんだ。
 甘やかされると弱くなるとでも考えたのかもしれないが、宗像にしてみたら冗談ではなかった。
 素直な感想を言えば、
「あんた、俺が甘やかしたくともそうさせてくれないだろう」
というところだ。

 だいたい、初めて会ったときから、あの娘を素直に守らせてもらえた試しがない。
 メガフロートでも、あんな細っこい身体でとうとう俺を外まで運びきった。
 見事な銃の腕前といい、土壇場での度胸といい、むしろもう少し大人しくなってくれても罰は当たらないんじゃないかと思う。

「…………」

 そこまで考えて、思わず黙り込んだ宗像だった。
 これではまるで俺ばかりが甘やかされてるみたいじゃねえか。
「女を守るのが生きがい」と豪語する身としては、このままでは沽券に関わる。

 幸い、今日であいつも少しは素直になるだろう。
 あの強情さは一筋縄ではいかないが、それを抑えて甘えさせるのが腕の見せ所だ。

「ふふん」

 なにやらいろいろと計画を練り始めたらしい宗像は、にやりといつもの笑みを浮かべてエンジンをかけた。



 その後、朝来は宗像に散々迫られるはめになるのだが、それはまた別の話。







最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!


▼目次へ